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日本では年間新築住宅着工120〜130万戸に対し、中古住宅の流通が16万戸と、新築の1割程度しか流通していません。反対にアメリカでは新築住宅着工(140〜160万戸)の約3倍(438万戸―1997年)もの中古住宅が流通しており、数の上では、日本の約30倍もの中古住宅が流通しています。日本の住宅市場をアメリカと人口比で比較すると、新築住宅はアメリカの約2倍、中古住宅は約15分の1といえます。(注:1) 日本の住宅市場の主役は、圧倒的に新築住宅であり、アメリカでは中古住宅が主役といえます。現代の日本社会は、独自の文化面を除いて、ライフスタイルそのものが西欧化しており、車や家電製品、衣料等など、物質面でほとんど同じものを手にしており、同じように流通しています。しかし「家」だけが、「中古住宅」だけが、同じように流通していないのは何故なのでしょうか。同じ住宅がわずかアメリカの僅か3%しか流通していないのは、明らかに異常といえます。 結論からいえば、日本の中古住宅がアメリカのように、活発に流通しないのは当然の結果といえます。なぜなら、このシリーズで繰り返し述べてきたことですが、日本の住宅は長持ちさせるために作られた良質の住宅ではないからだといえます。 いわゆる「使い捨て住宅」として作られてきた戦後の日本の木造住宅は、壊すことを前提に作られており、次の世代に受け継ぐほど良質ではなく、20年もすると不動産価値がなくなり、産業廃棄物として扱われる運命を辿っています。スクラップアンドビルドを繰り返すため、市場自体も中古住宅をどんどんストックするという状態にはなっていません。 日本に於いて中古住宅市場は悪循環をまねいています。具体的には、「住宅の質が悪いから、中古住宅になると急激に値を下げる。中古住宅の質が悪いから、安くしないと売れない。売れないから、より安くなる。また質が悪いから住宅を壊す。壊すから中古住宅市場が活性化しない。」というものです。販売価格に比べ、あまりにも原価のかけていない(生産性の低い)日本の住宅は、当然のようにその中古住宅価値を急速に下げます。壊すことを前提に建てられる戦後の短命な日本の住宅は、その宿命として中古住宅市場を小規模化させ、その価値を低いところに定着させました。 かたや北米においては、世代を超えた優良な中古住宅が、豊富にストックされています。また一般的に販売価格の75%もの原価をかけており、長持ちさせるための品質を誇っているため、中古住宅になってもその価値を下げることはありません。それどころか、こちらでは良循環が生まれています。「長持ちさせるための住宅は品質が良いから、中古になっても値が下がらない。質が良いから高くても良く売れる。品質が良いから壊さない。壊さないから市場が活性化する。」。同時に、ライフスタイルの違いもあり、北米では日本の永住指向と異なり、盛んに住み替えを繰り返すため、中古住宅市場の活性を促しているのもその背景にあります。(注:2)結局、住宅そのものの価値認識が高くなり、資産価値が高くなるという良循環を生んでいます。(注:3)アメリカでは、年々住宅(新築・中古住宅共)の価値が上がるため(現在6%強)、住宅の資産価値から既存の住宅ローン残高を引いた残りの部分を担保にするローンが普及。家計は住宅価格の上昇につれて調達できる資金が増え、それが消費に回りアメリカの景気の下支えをしています。(資料) 住宅がタダになる日本では考えられないことです。 以上のような日本の現状にあって、自分の財産である住宅を無価値にさせないためには、現代のペラペラのはりぼて住宅ではなく、将来においても通用する、長持ちで品質のいい住宅を建てる以外にありません。 |
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